【必要は発明の母】レジミス目線で考える、POSレジの買い替え - アップ店舗

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【必要は発明の母】レジミス目線で考える、POSレジの買い替え

いつも店舗での業務、お疲れ様です。

POSレジって聞くけど、そもそも今使っているレジから買い替える意味あるの?と考えている店舗マネージャーさんもいらっしゃるかと思います。特にレジミスが起こってしまった場合、「これは業務マニュアルを策定することだけでは限界がありそう。」と感じたなら、それはPOSレジへのお買い替えのタイミングかもしれません。

私はアパレル業界に8年間在籍していますが、タブレット端末でPOSレジを使っているブランドで働いています。数年前に、あるPOSレジから別のPOSレジへのシステム移行を経験していますし、日々、レジと向き合う中でどうすればレジミスが減らせるか?を考えています。

このブログではレジミスを起こさないよう業務マニュアルの作成の重要性をお伝えしてきましたが、このブログで使用しているレジは「POSレジ」となります。先日、ブログを読んでくださった読者さんから「私のお店のレジと全然違う・・・」とコメントをいただき、この記事を執筆するきっかけになりました。

この記事では、「レジ」と呼ばれるものにどんな種類があるか?また従来型レジスターからPOSレジへ買い替えることのメリットをレジミスという観点から記載しています。

この記事を読んでPOSレジに買い替えることで、結果的にレジミス削減に繋がり、お客様のために使える時間が増えることが期待できます。

必要は発明の母である は発明王トーマス・エジソンの名言

POSレジに代表される主なレジの種類

レジにはいくつかの種類がありますが、以下について説明していきます。

レジの種類一覧

  • 従来型レジスター(ガチャレジ)
  • 小型・コンパクトレジスター
  • POSレジ(タブレット型含む)
  • 業務用レジスター
  • セルフレジ・券売機

特に、アナログな従来型レジスター(ガチャレジ)や小型・コンパクトレジスターからPOSレジへの買い替えは、レジミスを減らすうえでも大きな効果が期待できます。それぞれのレジの内容を見ていきましょう。

従来型レジスター(ガチャレジ)

従来型レジスター(通称「ガチャレジ」)は長い間小売店や飲食店で使用されてきた伝統的なレジです。

この種のレジスターは、その特徴的な音「ガチャ」とともにキャッシュドロワーが開く様子から、その愛称がつけられました。従来型レジスターは主に機械式または電子式で、基本的な金銭管理と取引の記録を行う機能を備えています。私の自宅近くにある昔ながらのパン屋さんがこのガチャレジを使っています。

ガチャレジの画像

従来型レジスターのメリデメ

メリット)直感的な操作が可能、重量があるので防犯対策にもなる。

デメリット)アナログ機能なので売り上げ分析や在庫管理には不向き。レジミス目線でも推奨しない。

小型・コンパクトレジスター

従来型レジスターをコンパクトかつ簡易型にしたレジスターがあります。合計金額の集計やレシートの印字機能がついています。

簡易レジスターは、小規模な店舗やポップアップイベント、屋台などで便利に使用される、コンパクトで機能的なPOSシステムです。その設計は、基本的な取引処理機能に焦点を当て、使用が簡単で、設置も迅速に行えるようになっています。

小型・コンパクトレジの画像

(画像引用元:株式会社ユニエイム 型番:XE-A270)

小型・コンパクトレジのメリデメ

メリット)低価格で初期投資が抑えられる、簡易的な機能で使用しすい。持ち運び可能。

デメリット)従来型レジスターと同じで売り上げ分析や在庫管理には不向き。レジミス目線でも推奨しない。

POSレジ(タブレット型含む)

このブログでも紹介しているマニュアルはこのPOSレジがあることが前提で作られています。

「POS」とは「Point Of Sale」の略で、販売時点情報管理システムを意味します。このシステムを導入することで、売上記録はもちろん、在庫管理や顧客管理、さらには売上分析まで、店舗運営に必要なあらゆるデータを一元的に管理することが可能になります。

私の在籍する小売業界では、このPOSレジシステムを通じて収集されるデータを基に、発注の予測や月の売上やスタッフの人員配置を考えていることが一般的です。

POSレジ タブレット端末の画像

(画像引用元:【スマレジ】

POSレジのメリデメ

メリット)売り上げ分析・在庫管理等の機能が充実している、操作性も直感的、高度な機能に対して割安。レジミス低減に期待できる。

デメリット)タブレット端末やバーコードリーダーのような周辺機器が必要、Wi-Fiのようなネットワーク環境が必要。中小企業でも使える。

業務用レジスター

業務用レジスターは、大手スーパーやチェーン展開する飲食業界で良く見られます。

高度なPOS機能を備えており、単なる金銭管理だけでなく、幅広いビジネスプロセスを効率化する多様な機能を提供します。例えば、商品の売上げデータの追跡、在庫管理、顧客データベースの管理、売上分析など、店舗運営の多面的なニーズに対応する機能を搭載しています。

業務用レジスターの画像

(画像引用元:株式会社ビジコム システム名:BCPOS

業務用レジのメリデメ

メリット)PCとの連動で操作性が高い、高度な分析が可能、マーケティングツールとの連動が期待できる。自動釣銭機が付属されたものだとレジミスはゼロに近づく。

デメリット)機器の値段だけでなく、システム使用料などコストがかかる。大手企業やチェーン展開している企業向き。

セルフレジ・券売機

セルフレジ(自動精算機)は、お客様が自ら商品のスキャンや支払いを行うことができるシステムです。

この技術は、特に大型の小売店やスーパーマーケット、ファストフードチェーンなどで広く採用されています。最近、私の行きつけのコンビニやスーパーでも導入が始まっていますが、私はセルフレジの方が自分のペースでお金の出し入れが出来るので愛用しています。

セルフレジの画像

(画像引用元:NEC 対面型セミセルフレジ TRUE TWINSHOP

セルフレジのメリデメ

メリット)お客様がご自身でお会計してくれるので従業員の過失のあるレジミスは発生しない。

デメリット)機器自体が割高。

導入の際の考慮すべきコスト

レジ導入の際、システム会社さんが提示する初期コストが発生します。しかしながら、各社さんの努力によりスマレジエアレジといった高機能なPOSレジも無料で利用できます。

一方で、初期コスト以外に、商品情報の入力やトレーニングには相応の時間と費用がかかります。新しいPOSシステムの導入は、単に新しい機械を設置するだけでは終わりません。システムへの商品データの入力や従業員のトレーニングなど、隠れたコストと時間が必要となります。

たとえば、ある小売店がPOSシステムを導入した際、全商品のバーコード、価格、在庫情報をシステムに登録する必要がありました。この作業には、2人の従業員が1週間を費やしました。さらに、新システムの操作に不慣れな従業員のために、追加のトレーニングセッションを設ける必要がありました。これらの「隠れたコスト」は、導入の際の考慮すべき内容になります。

2名で商品登録している画像、隠れたコストが存在する。

思い返せば私のPOSシステムの入れ替えの際に、マスターデータの更新はシステムのチームがやってくれましたが、トレーニングは従業員と一緒にそれなりの時間を使いました。POSレジのトレーニングモードを使い、基幹システムに接続していないバーチャル環境で数日にわたって練習を行いました。

POSレジに関しては、直感的に操作できる内容も多く、システムの操作でレジミスが発生することよりも、オペレーション上のヒューマンエラーによってミスが起こることの方が多いように感じます。(このブログでレジのオペレーションを発信し続けているのも、ヒューマンエラーによるミスを減らす意図があります)

レジ買い替えのタイミング

レジや周辺機器の性能が落ちてきたら、買い替えのタイミングを検討すべきです。またレジミスがヒューマンエラーではなく、レジの性能によるものであればレジの買い替えを検討すべきです。

オペレーションでも解決できないミスに遭遇

以前、私が所属したことのあるお店で「レジの際に電卓を使って計算をする」というオペレーションをマニュアルに組み込んでいるブランドがありました。

このオペレーションは「レジを打つ前に、電卓を使って計算する」というひと手間が加わるために一見、ミスの防止に繋がるような気がします。しかしながら、実際に電卓を使っていてもミスが起こり、このオペレーションを廃止した経験があります。

電卓でのお会計は推奨していないという画像

電卓での計算をレジマニュアルに導入しない理由

あるお店で従来型レジスターで商品の計算を行う補助手段として電卓を使用するオペレーションを策定しました。

計算をレジスターで1回、電卓を使って1回、合計2回計算するので、論理的にはミスが起こらないと思われました。一方で、この手法だと「商品の読み取り忘れ」に対応できないことが発覚しました。

例えば、りんご100円、メロン500円、いちご280円で合計880円というお会計があったとします。レジスターでも電卓でも計算した結果は480円で当然一致します。

一方で、上記の「りんご100円、メロン500円、いちご280円」の他に、レジ台の上に「みかん80円」があるにもかかわらず、みかんをレジで読み忘れていたらどうでしょう。合計金額は、りんご100円、メロン500円、いちご280円、みかん80円で合計960円となるのですが、そもそも読み忘れていることに気づけなかったため、結果的にはレジミスが発生しています。

このように、レジでの読み忘れに気づけないことを考えると電卓は使用するべきではありません。「2回計算したから大丈夫。」という根拠のない安心感が、自分のミスに気づく客観視を阻害しています。

なお、客観視の重要性はレジマニュアルの「レシートを読むことで客観視できる」でも言及しています。

なお、上記のミスに関してはPOSレジを入れると、入力したものが一覧で見ることが出来るのでレジミスの発生を構造的に減らすことができます。

レジ周辺機器の壊れた場合

レジの故障や不調は、お客様のサービスの遅延や致命的なミスを引き起こし、最終的には売上減少や顧客満足度の低下に繋がります。

この辺りは、ケータイ電話の技術革新で皆さんも経験されていると思います。

フューチャーフォン(ガラケー)の電話帳とスマートフォンアプリのLINEを使っての情報発信を考えてみましょう。ケータイ電話で1件1件、電話帳に表示された相手に電話を掛けるのと、LINEの一斉配信の機能を使ってお客様へ連絡を行うのでは、販促でお届けできる情報の量と質に圧倒的な差が出ます。

仮にいま皆さんが使っているフューチャーフォン(ガラケー)が壊れた時に、スマートフォンを買い替える方の方が圧倒的に多いのではないのでしょうか。

フューチャーフォンが壊れた場合はスマートフォンへのお買い替えをお勧めします

レジシステムが変わったことで、劇的に業務効率が変わることはあります。特に従来型レジスター(ガチャレジ)から、POSレジへの買い替えは大きなインパクトが期待できます。

新紙幣への対応

2023年6月28日に財務省から、新紙幣を2024年7月に発行する報道がありました。(リンク先:『新しい日本銀行券の発行時期について』財務省)

この新紙幣の発行に伴い、現行のレジや券売機が新紙幣に対応しているかを確認し、必要に応じて買い替えを検討することも検討しましょう。業務用レジを使っている大手企業は、恐らく本社が対応してくれるので問題ありません。一方で私の所属するような中小企業では独自に対応を迫られる可能性があります。

新一万円札の画像

(画像引用元:財務省『新しい日本銀行券の発行時期について』)

特にセルフレジや券売機の仕様でレジを使用しているお店は、レジや券売機のメーカーに問い合わせて、現在のシステムが新紙幣に対応しているかを確認することが第一歩です。対応していない場合は、ソフトウェアのアップデートが可能か、あるいは新しいハードウェアへの買い替えが必要かを検討しましょう。

なお新紙幣は、高度な偽造防止技術を採用しており、旧式のレジや券売機では認識できない可能性があります。また、新紙幣はユニバーサルデザインの観点からも改良が加えられているため、これらの変更に対応するためには、レジや券売機のアップデートや買い替えが必要になることがあります。

まとめ

以上のように「レジ」と呼ばれるものにどんな種類があるか?また従来型レジスターからPOSレジへ買い替えることで、具体的にレジミスがどのように減るかをご紹介させていただきました。

なお、POSレジの比較に関しては、スマレジが紹介する比較資料がわかりやすかったです。

スマレジの紹介に重きがおかれていますが、機能面での比較は大変役に立ちます。

POSレジの選び方・比較

  • この記事を書いた人

たんぱくん

レジミスや万引き・盗難は小売り現場の社会的な損失と考えブログを執筆中。 2012年保険代理店を経営➡2015年大学院を卒業➡小売業界に転職➡2018年 店舗のマネージャーに就任➡2店舗の新店オープンに従事。 経営管理修士(MBA)修了。

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