防犯カメラの導入を考えているものの選ぶ軸が多すぎて悩んでいませんか?
実は、私も最初の防犯カメラを導入する際に同じ悩みを抱えており、結果的に通販サイトのランキングで1位だったものを深く考えずに購入した経緯があります。
なぜなら、現行の防犯カメラを選ぶ基準は、自宅での使用で不審者や空き巣の対策で選ぶ人が多かったり、防犯カメラ導入の目的が大手企業の目線で書かれており、参考にするのが難しかったりするからです。
この記事では防犯カメラのスペックをお店の運営という判断基準で記載しており店舗を運営する人の目線で機能が必要かどうかを記載しています。
そのため、お店で防犯カメラを購入しようとしていたり、買い替えを検討している人には参考になるはずです。
この記事を読むと、防犯カメラの選定の時間を短縮し、もっと大切な店舗運営や人材育成に掛ける時間を増やす効果が期待できます。
設置目的と設置方法で考慮すべき内容
一般的に防犯カメラは、犯罪の抑止や証拠収集など、さまざまな効果が期待できます。
しかし、効果的な防犯対策のためには、設置目的を明確にすることが重要です。ここでは、
- 設置目的は何か
- 電気工事の有無
- 設置は誰がやるか
- 予算はいくらか
という項目について記載します。
設置目的は何か
防犯カメラの設置目的は何か?でどんなカメラを導入するかで決まっています。
具体的に設置目的とは、侵入抑止、証拠収集、遠隔監視が挙げられます。
万引き・盗難の防止の防犯カメラならまだしも、夜間の店舗の侵入防止や遠隔に設置された倉庫の監視まで視野に入れると悩みが増えます。
防犯カメラの種類は多岐にわたりますので、目的に沿った使い方から考えましょう。
私は、万引き・盗難の防止と再発防止策の証拠収集のために購入をしました。マイク内蔵や夜間撮影モードも付いていましたがこの機能は不必要な機能でした。
電気工事の有無
電源周りや接続方法で電気工事が必要かどうかの判断になります。
防犯カメラ導入に際して、事前に工事が必要になると「買ってその日から稼働」とはいきません。
まずは電気工事が必要になるかは確認しましょう。
私は、最初の導入は電気工事なしの家庭用カメラを購入し、最終的に電気工事の依頼を行い業務用カメラを導入しました。
設置は誰がやるか
防犯カメラの物理的な設置やセットアップは誰がやるかは明確にしておきましょう。
防犯カメラの設置方法は、大きく分けて2種類あります。
- 自分で設置: 工具さえあれば、誰でも簡単に設置できます。ただし、設置場所によっては難しい場合もあります。
- 業者に依頼: 専門業者が設置してくれるので、安心です。ただし、設置費用がかかります。
自分で設置の中には、脚立を使って天井に取り付けたりする高所作業ことを意味し、セットアップとはWi-Fiの接続や動画再生アプリのインストールとなります。
いずれも大した労力ではありませんが、女性しかスタッフが配置されていないアパレル店舗は脚立を持ち運ぶ労力を考慮すべきですし、設置する日のシフト組みにも影響します。
その点、専門業者に依頼すれば、閉店後の時間で対応してくれます。
私は比較的、DIY等に抵抗がなかったので自分ですべてやりました。
予算はいくらか
家庭用カメラであれば数千円、業務用カメラであれば数万円というのが相場になります。
また、初期費用だけでなく、クラウドに保存するアプリを使用する場合はランニングコストも考慮する必要があります。
予算に関しては各ブランドで権限があったり、お店から本社への稟議があったりするかと思います。
予算感についてもイメージを持ってカメラ選びをしましょう。
私は、予算に関して制限はありませんでしたが、まずは数千円の家庭用カメラからトライアルしました。
デザイン等で考慮すべき内容
デザインと見た目も重要な要素になります。ここでは
- カメラタイプ
- デザイン
- 設置場所
に分けて記載してみます。
カメラタイプ
家庭用カメラにするか業務用カメラにするか?という違いがあります。
家庭用カメラは、家庭に設置する防犯カメラやペットの見守りカメラのようなものを指し、業務用カメラは様々な機能を有した本格的な防犯カメラを指します。
家庭用カメラは比較的リーズナブルで、業務用カメラは10万円を超えるものが存在します。その分、業務用カメラの方が機能が多くなります。
私は、防犯カメラの性能に懐疑的だったので、最初は費用を抑えた家庭用カメラの導入から始めました。
デザイン
カメラタイプは、ボックス型・ドーム型等に大別されます。
ドーム型カメラは目立ちにくく、インテリアに溶け込みやすいため、店舗やオフィスの内装を損なうことなく設置できます。ドームケースがカメラを保護し、埃や水滴、損傷から守ります。
一方で、ボックス型カメラはより従来的なデザインを持ち、カメラ本体が箱形をしています。
主に屋外での使用に適しており、エントランスや駐車場の設置に適しています。
景観を損ねないようにしたいのであればドーム型、抑止力を高めたいのであればボックス型をお勧めます。
私は、ブランドの都合上、威圧感を与えたくないのと商業施設の廊下にも似たような防犯カメラが設置されていたましたのでドーム型一択でした。
設置場所
屋内に設置するか屋外に設置するかでタイプが変わってきます。
屋内用と屋外用では必要な機能が異なるため、設置場所に合わせて選ぶことが重要です。
屋内用の防犯カメラは、主に人の動きを検知して録画するのに適しています。
逆に屋外用の防犯カメラは、風雨や埃に強い防水・防塵機能が必要です。
私は、商業施設の中にあるテナントの中に設置したので屋内型を選びました。
動作系統で考慮すべき内容
動作系統に関しては、防犯カメラそのもののではなく、周辺機器との相性を考慮します。
- 給電方法
- ネット環境
- 動画の確認方法
- データの保存方法
- 設置台数
を記載していきます。
給電方法
防犯カメラにどうやって電気を供給するかを確認します。
通常のACアダプターであれば近くにコンセントがあるかを見ますし、電気工事が必要であれば業者さんの手配が必要になります。
また、一部のモデルでPoE給電の方式があります。
PoE(Power over Ethernet)給電とは、LANケーブルを使って電力供給を行う技術です。従来の電源供給方法とは異なり、電源ケーブルを接続する必要がないため設置や運用が便利です。
他にも、バッテリー式、ソーラーパネル式といったものがあります。
私は、3台目までは家庭用カメラであれば事前にコンセントの位置を確認して調整しました。
業務用カメラのカメラへの電源供給がどうしてもできずこの段階で電気工事を実施しています。
ネット環境
防犯カメラの動画をどのような方法で確認するか?を確認します。
自分のお店のWi-Fiを使ったワイヤレス接続を行う場合はその通信環境(2.4Gなのか5Gなのか)を確認したり、有線LANが必要かどうかも事前に確認します。
私は、家庭用カメラは自分でWi-Fi接続を行いました。
現在使っているお店の防犯カメラは、Wi-Fiではなくカメラとレコーダーを直接ワイヤレス通信で接続しています。
動画の確認方法
防犯カメラの動画を参照する際にアプリを使ってデータを見るか、SDカードをPCに差し込んでデータを直接確認するか?という方法です。
この動画の確認方法は使い始めてみて、意外と重要なスペックでした。
初代の防犯カメラはこの再生方法が煩雑過ぎて運用を諦めた経緯があります。
防犯カメラを導入しないとわからない内容だったりしますが、万引き・盗難が発生した際に大きな差が出ます。
私は、最初に導入した家庭用カメラのアプリの使い勝手に苦しみ、買い替えを経験しました。
データの保存方法
防犯カメラの録画方式には、大きく分けて3種類あります。
- HDD録画: 録画データをハードディスクに保存する方式です。大容量のデータを保存できますが、定期的なデータのバックアップが必要です。もしくは「上書き保存機能」があるかどうかは確認しましょう。
- SDカード録画: 録画データをSDカードに保存する方式です。HDD録画よりも安価で手軽ですが、容量が限られているため、定期的にSDカードを交換する必要があります。こちらも「上書き保存機能」があるかどうかは確認しましょう。
- クラウド録画: 録画データをインターネット上のサーバーに保存する方式です。HDDやSDカードが不要で、遠隔操作も簡単ですが、月額料金が発生します。
私の場合、万引き・盗難発生時に確認することが目的でしたので、最大で3日分の保存ができれば大丈夫でした。
SDカードのタイプでも問題ありませんでしたが、現在使用している業務用カメラは約1か月間のデータを確認できる仕様になっています。
設置台数
防犯カメラを何台設置するか?を確認します。
数台設置して、設置場所ごとに動画を参照する場合、アプリやモニターで一覧が見られると使い勝手が各段に良くなります。
私は、20坪程度のお店の時は2台、現在の70坪のお店に異動してからは4台の防犯カメラを導入しています。
カメラのスペックで考える内容
カメラのスペックの項目については以下の通りです。
- 画素数
- 画角
- 防水性
- 耐久性
この項目は防犯カメラを紹介するサイトでは比較項目で上がってきますが、私はあまり考慮していない項目です。
その理由とともに説明します。
画素数
防犯カメラの画質は、映像の鮮明さに影響します。
人の顔をしっかりと識別したい場合は、200万画素以上の高画質なカメラを選びましょう。
高画質な映像は、犯罪の証拠として役立つだけでなく、細部まで確認できるため、防犯対策にも効果的です。
最近のスマートフォンのカメラも「〇〇画素」という表記を見かけますので、イメージしやすいかもしれません。
防犯カメラの画質は、100万画素から200万画素、400万画素、さらには800万画素以上の高画質に対応した防犯カメラも登場しています。
私は、400万画素の家庭用カメラから始め、この画素数で万引き・盗難発生時は被害届の提出を行っています。
画角
カメラを設置する場所や、撮影したい範囲を明確にします。
広範囲を撮影したい場合は広角レンズ、特定の場所を重点的に撮影したい場合は狭角レンズを選択します。
例えば、天井に設置する場合は広角レンズ、壁に設置する場合は狭角レンズが適しています。
私の場合は、2台目に設置したカメラの画角が若干狭かったので、同じモデルの防犯カメラ2台設置し、お店の広範囲をカバーすることにしました。
防水性
防水性は、防犯カメラが雨や水しぶきなどの水分から保護されている度合いを示します。
この性能はIP(Ingress Protection)規格によって評価され、"IP"に続く2桁の数字で表されます。
第1桁は固体物体(例えばほこりや砂)に対する保護レベルを、第2桁は水に対する保護レベルを示します。
屋外カメラを選ぶ際は、少なくとも「IP65」以上の製品を選ぶことが一般的です。これは、防塵性能が完全に保護され、雨や霧にも耐えることができます。
【一般社団法人 日本品質保証機構 の資料より抜粋】
なお詳細はこちらのリンク(日本品質保証機構のIP試験(防水試験・防塵試験))でご覧いただけます。
私は商業施設の屋内での防犯カメラの設置でしたので、この防水性は一切考慮しませんでした。
耐久性
耐久性とは、機器が物理的な衝撃や長期間の使用、極端な気温や日光などの環境条件に耐える能力を指します。
防犯カメラの耐久性が高いと、長期間にわたって安定した性能を維持し、メンテナンスや交換の頻度を減らすことができます。
耐久性を評価する際には、カメラの製造素材や構造、加えて製品がテストされた環境条件(温度範囲や耐衝撃性など)に注目します。
たとえば、金属製の外装はプラスチック製のものよりも一般に耐久性が高いとされています。
私は、防水性と同じで、商業施設の屋内の店舗に防犯カメラを設置したので耐久性に関しては一切考慮しませんでした。
ズーム・フォーカス機能
防犯カメラでズームとフォーカス機能を活用することで、広範囲を監視しながらも、特定の詳細に注目することができます。
例えば、遠くの入り口や特定の人物の顔など、重要なエリアや対象に焦点を合わせたい場合に便利です。
ズーム機能には主に2種類、光学ズームとデジタルズームがあります。
光学ズームはレンズ自体を動かして被写体を拡大し、画質の低下を最小限に抑えます。
一方、デジタルズームは画像をソフトウェア的に拡大するため、画質が劣化しやすいです。
フォーカス機能は、カメラが被写体にピントを合わせる機能です。
防犯カメラにはオートフォーカス機能が備わっているものが多く、撮影するエリアに応じて自動的にピントを調整します。
ズーム・フォーカス機能はリアルタイムで防犯カメラをチェックするときは意味がありそうですが、私はそういった使い方はしませんので不要と判断しました。
動体検知・人感センサー
動体検知と人感センサーの機能によって、カメラは動くものや人の存在を感知し、それに応じて録画を開始することができます。
その結果、24時間の録画は必要なく保存ストレージの節約に繋がります。
動体検知機能は、カメラの視野内で動きがあった際に録画を開始する機能です。この機能は、特定のエリアでの動きを検出するために、画像の変化を分析します。
人感センサーは、人の体温を感知して動作を開始する機能です。このセンサーは、赤外線を利用して人の存在を検知します。
私が2台目に買った家庭用カメラの防犯カメラには人感センサーがついていました。精度は問題ありませんでした。
遠隔操作
ネットワークを介して、防犯カメラを遠隔操作できる機能です。リアルタイムでカメラの画角を動かすといったことも可能です。
私は、防犯カメラをリアルタイムで確認する必要性はありませんでした。そのため、この機能で機種を判別することはありませんでした。
まとめ
以上、一般的な防犯カメラの選び方で考慮している内容を紹介するとともに、実際に導入の際に検討したことを記載してみました。
実際に使ってみた感想と、具体的な防犯カメラの選定に関しては別の記事をご覧いただければ幸いです。